香港の朝はセイロの湯気と共に目覚める

こんにちは。管理人の旅すけです。
いつも股旅ブルースをお読み頂きありがとうございます。

世界を股にかけて旅する股旅ブルースでは僕がこれまで訪れた海外のグルメ情報、街歩き、観光、現地の暮らしなどをご紹介して行きます。

今回も引き続き香港のおいしい情報をお届けします。

香港の定番、“早茶”とは・・?

さて、突然ですが皆さん朝食の定番てなんですか?
ご飯とおみそ汁、納豆とか、パンとコーヒーとか、最近ではシリアルて方も少なくないとおもいます。
実は香港では「早茶」といって朝食に飲茶を嗜む習慣があるのです。
皆さんご存じの飲茶も起源を辿れば古く、中国の唐代の頃まで遡るそう。
当初は茶がメインでナッツや小さなお菓子などがお茶請けとして軽く供されていたそうですが
現在では点心と呼ばれ、セイロ一つ一つに様々な料理が蒸され食卓を彩るようになりました。
早茶はがっつり食べてって感じではなく、好きなお茶を注文して飲茶点心を1品2品ぐらい注文して新聞でも読みながらゆっくり過ごしたり、友人と楽しくお喋りしたりするのが主流のようです。

なんて優雅な朝、毎朝ギリギリに飛び起きて出社している僕には憧れの暮らし!
あーせめて旅の間だけでもそんなゆっくりした時間を味わいたい、なんて方もいるはず。

多忙な日々を送る方に、ぜひオススメしたいのは香港島にある蓮香楼(リンヒョンラウ)です。
もうね、超大好きですよ。
ここ来ないと香港来た感じがしないくらい大好きです。
ここがないのはクリープのないコーヒーのようですよ。
こちらは創業1925年の超老舗。写真でも分かるように店内も年季が入っていい感じでしょ。
メニューは午前中の飲茶以外にも昼はランチ、夜はディナーと深夜11:00の閉店まで
1日通して中華の一品料理がリーズナブルなお値段で楽しめるのです。
なにより蓮香楼の特徴は昔ながらのワゴンスタイルを継承する数少ないお店であること。
香港に飲茶レストランは多数ありますが、最近では注文した点心をウェイターさんがテーブルに運んでくれるスタイルがほとんどになってしまい、店内でワゴンに乗せた点心を選ばせてくれる伝統のスタイルは本当に少なくなっているそう。
こうゆうローカル感たっぷりな所、中年バックパッカーにはたまらないのです。

名店蓮香楼で早朝バズーカならぬ早朝飲茶!!

時刻は朝6:00。眠らない街香港もまだまだ人通りが閑散としている時間ですが
早茶レストランの開店は早く、朝3:00から開けている所も。
それってまだまだ深夜じゃん!!と突っ込みたくなりますが
ここ蓮香楼も6:00の開店から地元の方々で賑わうのです。
オスマン・サンコンさんは早朝バズーカでしたが、早速僕も早朝飲茶に突撃です!

入店したら入り口のカウンターで会計伝票をもらいましょう。
この伝票、最初はなにも記載がないですが飲茶をワゴンから取る度にひとつずつ印鑑を押してもらえます。この印が清算時の金額になりますので無くさないように持っておきましょう。

店内はお客さんで大混雑、皆さん密集した丸テーブルに押し合いへし合いしながら朝の時間を楽しんでいます。しかし香港の人は元気ですね、お喋りも本当に楽しそう。給仕の方が片付ける食器の音もこの喧噪と交わって不思議と心地よく感じられます。

こちらは相席が基本ですので丸テーブルに空きがあれば遠慮せず迷わず着席しましょう。隣の地元の方にも軽く挨拶なんてすると、気分はもう香港人、この雰囲気を満喫しましょう。

席についたらまずお茶を選びます。
プーアル茶、ウーロン茶、ジャスミン茶などから注文します。
すると茶器が運ばれてきたら食器類を一度お茶で洗うのです。
えっなんで?と思われるでしょ。
これは昔からの習慣で使う前に食器をお湯で洗うのです。これ「洗杯」といいます。
大き目の器にお茶を注いだら、箸、レンゲ、湯飲みを軽く洗います。
食器は既に洗ってあり衛生的にも問題ありませんが、これぞ香港。ぜひ試してみて下さい。
あとは、給仕の方々が次々にワゴンで点心を運んで来ますので選ばせてもらって
お好みのセイロを取りましょう。

まるで小さな宝石箱や~!魅力的な点心たち。

点心と言えば、大根餅に海老餃子に饅頭と数えきれない程の種類があります。
その中でも人気の幾つかをご紹介。

まずは、日本でも人気の包子やシュウマイ。
包子は小麦粉の生地で煮豚や野菜などを包んだ、いわゆる肉まん。
一皿に3つも入ってボリューム満点、溢れんばかりの具材も食べ応えあり!
馴染み深いシュウマイは海老や椎茸などバリエーションも豊富。

所狭しと詰められたのはふっかふかの包子

お次は湯葉巻きに肉団子。
ひき肉や野菜を巻いて煮込んだ湯葉巻きは武骨な見た目と違って繊細なお味。
ひたひたの湯葉からはスープがジュワーっと染み出て口いっぱいに広がります。
あ~これ本当に美味しい!おかわり!

見た目とは裏腹な上品なお味の湯葉巻き

そして蒸し餃子。
中身が透けて見える程薄くて柔らかい、まるで羽衣に包まれているような餃子。
具材のカラフルな色彩が美しく“美女のようだ”と言われていたそう。
う~ん、食べちゃうのがもったいない。でも食べるけど!

その美しさを美女に例えるセンスNO.1の蒸し餃子

最後に僕のオススメ、腸粉です。
ぷるんぷるんの厚みのあるライスペーパーで海老やチャーシューを巻いた点心ですが、
口の中でとろけるようです。
醤油ベースの甘いタレも日本人の口によく合います。

点心界の定番、腸粉はもはや主役級の存在感

他にもカステラやエッグタルトなどデザート系の点心もあってお口直しにもピッタリ。

なるほど~、点心て見た目の美しさや美味しさもあるけれど
ひとつひとつが小さくて、色んな種類をみんなで楽しく分け合えるから
香港だけでなく世界中で愛されてるんだなぁ~。

あ~美味しかった!しかしまた食べ過ぎちゃったなぁ~
気づけばテーブルにはセイロの山が出来ているのです。

でも、そんなに食べたらお高くつくんじゃないの・・?奥様、ご安心下さい、
点心はおひとつ11HKD、日本円で約160円からと大変リーズナブルなんです。
え~っ!!とTVショッピングの奈美悦子さんばりのリアクションをしましたが、
味よし、値段よしでゆっくり朝食を楽しむにはピッタリなんです。

蓮香楼へは地下鉄上環(ションワン)駅下車、A2番出口から徒歩4分
文咸東街の道沿いにあります。

皆さんも香港へお越しの際はぜひ蓮香楼で飲茶を楽しんでみませんか。

蓮香楼
G/F,Wellington Street, Central
香港香港岛中环威灵顿街160-164号
☎2544-4556/6:00~23:00(飲茶は17:00まで)
休業日・旧正月3日間、中秋節の翌日
日本語不可