こんにちは。放浪のバックパッカー旅すけです。
いつも股旅ブルースをご覧頂きありがとうございます。
世界を股にかけて旅する股旅ブルース。
今回はニューデリーからガンジス川で有名なバラナシまで寝台列車で旅します。インド大陸を駆け抜ける列車から目にしたのは、まだ見ぬ絶景でした。
カオスかスラムか!?ニューデリー駅は列車予約も一苦労。
旅人は誰しも夢を持っているだろう。
ある者はヒマラヤ登頂だったり、ある者は南極氷河の溶解を目にする事だったり。
パリのシャンゼリゼ通りでお茶する事なんて人もいるかも知れない。
皆、いづれ実現したい事を思い描きながら日々暮らしているんじゃないだろうか。
そんな僕にも数えきれない程の夢があった。
フィレンツェのウフィッツィ美術館に行く事やマラッカで夕陽を見る事は幾多の夢の中のひとつだが、インドで寝台列車に乗るという夢は最も熱烈に思い描いていたかも知れない。
なんせ治安、衛生、インフラ3つ星クラスの大国インドで寝台列車を予約し、数十時間の距離を移動し、朝を迎えるなんて常人には想像も出来ない芸当だ。
しかし変態バックパッカーにとって困難な旅程、心躍らせる。
若かりし頃より、いつか乗ってみたいと思っていたニューデリー発バラナシ行寝台列車の旅が、ついに実現する時が来たのだ。
まずはチケット予約をしなければならないのだが、余裕を持って乗車日の前日にする事にした。
ニューデリー駅の2階に外国人専用予約カウンターがあるのだが、ここからが修羅の道!
駅前あたりからカウンターがある部屋に到着するまで、絶対に絶対に絶対に人を信用しては行けない!!
どんなに窓口は開いてないとか、そっちにはないとか言われても相手にしてはいけない!
声掛けて来る奴ら全員ガン無視で突き抜けるのだ!
不安にかられるだろうが、窓口は2階で普通に開いている。
しかし、これほどまでに旅行者をカモる国てどうなんだろうか・・。
僕はかなりの疑問を抱きつつ、列車を予約するのだった。
気分は昭和のブルートレイン。バラナシ行寝台列車に飛び乗れ!
翌日、夕方頃に駅に到着すると、今日も人でごった返していた。
無数の人々がコンコースからホームから、地べたに座りこみ、中には横になりながら列車を待っている。
こう見ると日本を始め諸国のステーションとはよく考えられている。
人の流れや、休憩場所、改札、売店が行動学の元、上手く滞留しないよう造られているのだろう。
デリーの駅の混み具合、更には野良犬も徘徊しているのだから、学者様も改善のしようがあるだろうな。
ホームに行ってみると、既にバラナシ行寝台列車が到着していた。
青い車両にヒンドゥー語の白字。
かつて日本の夜を走破していたブルートレインを思い出すなぁ。
予約した車両に行って貼り出された紙を見ると、あったあった名前とシート番号。
ヒンドゥー語で書かれてたらどうしようと思ったけど、ちゃんとローマ字だった。
早速乗り込んで寝台確保だZe!
ノスタルジックなインドの寝台車、中はもっと昭和だった。
予約したのは2等車両のエアコン付きだが、寝台は上段・下段の2種。
エンジの合皮で設えたベッドと無造作にたたまれた布団。
ここ独房ですか?間違えて網走刑務所来ちゃったのかな?一抹の不安を抱きながら(インドを旅しといて一抹どころじゃないんだが、、)ベッドによじ登るのだった。
しばらくすると下段や向かいのベッドにも乗客が乗り込み、列車はゆっくりと発車した。
バラナシまで750km、12時間の旅が始まる。
車窓は正にパラレルワールド。モーニングインディアを目撃せよ。
“チャーイ、チャーイ、チャーイ”翌朝、車内を歩くチャイ屋の声で目が覚めた。
昨夜は寝台ベッドの上で本読んだりしてみたが、やる事もなくすぐに寝てしまった。
途中で弁当屋にカレーを頼んだのだが、持って来たのが夜中で、モソモソ起きて食べたり。
意外に美味しかったけど、他のインド人よりも明らかに高い値段を取られた。
それでも日本の一食より格安なので、まぁ良しとするか、、。
夜中は揺れがひどく何度か目が覚めたが、疲れもあってかまた眠ってしまったようだ。
車内は朝陽が差し込み明るくなっている。
各ベッドは未だカーテンで閉めきられていたので、起床には早い時間なのだろう。
僕はおもむろにベッドを降りてトイレに向かった。
こうゆう列車のトイレと言えば、見るに耐えない程の汚れを想像するが、比較的綺麗だった。ただ、難点と言えば震度6強に匹敵する揺れなのだが、、。
用を足してトイレを出ると開け放たれた乗車口から景色が見渡せた。
インドの朝の光景が眼下に広がっている。
鮮やかに刈られた田畑や、住宅街、幹線道路沿いなど、これまで目にした事がない風景が移り変わり、駆け抜けて行く。
時にロバに乗った人を見たり、朝の水浴びを見たり。
間近で繰り広げられる暮らしぶりは全く新しく新鮮な風景であった。
あ〜旅してるなぁ、僕のテンションは爆上がりだった。
ふと見ると線路沿いの茂みから何人ものインド人が顔を出している。
なんだ?なにやってんだ?列車もゆっくりだからなんか目も合うし。
あっ!そうか、朝だから用を足してんのか!
うわ〜これ見れるの貴重!←失礼。だけどものすごい感動してしまった!
ありがとうインディア。
しばらく乗っていると、ようやくバラナシに到着した、、らしい。
というのも、インドの列車は駅看板も車内放送もない為気が気じゃなかったが、他の乗客に聞いて降りる事が出来た。
ついにやって来た念願のバラナシ!ヒンドゥー教の聖地、生と死の境界線。
ガンジス川とはいかなる場所だろうか、無事に辿り着けるだろうか。期待と不安が0:100のインド旅はいよいよ佳境に入る!
Varanasi Railway Sta Rd
インド 〒221002 ウッタル・プラデーシュ ワーラーナシー レイルウェイガンジ・コロニー
ヒンドゥー教最大の聖地として知られるバラナシ。年間100万人もの巡礼者が訪れる街は異国情緒満載。喧噪に包まれた路地やガンジス川で沐浴する人など、混沌とした雰囲気は旅人たちを魅了している。