こんにちは。中年バックパッカー旅すけです。
いつも股旅ブルースをお読み頂きありがとうございます。
世界を股にかけて旅する股旅ブルース。
前回まで、モロッコのホテル、リヤドにて王様気分で宿泊するも似つかわしくない豪華さに緊張してしまい、結局寝不足になるのでした。
今回はモロッコ名産のあのオイルを紹介します。
リヤドに宿泊した翌朝、世界遺産集落のアイト・ベン・ハドゥに向かう為、早朝チェックアウト。
今回は現地ツアーで3泊4日の周遊プランをオーダー。
マラケシュから、アイト・ベン・ハドゥ~ワルザザード~トドラ渓谷~メルズーガと周遊しフェズにて終了。本来ならば地元ローカルバスで数日かけて廻りたいのですが、いかんせんサラリーマンバックパッカーの貴重な休暇では時間がない。
距離にして約1,000kmの大移動を効率的に満喫できるので現地ツアーもオススメなのです。
爆走するモロッコの大地と駆け巡る青春
ドライバーとの待ち合わせ場所までは、リヤドのフランス人オーナーが付き添ってくれました。
朝のマラケシュは野菜や果物を載せた荷馬車や通勤の人々、朝食の屋台等が忙しなく行き交い、夜の喧噪にも負けない活気で溢れています。
土埃と朝日に照らされた旧市街の街並みは黄褐色に染まり、全く別の街のようだが何処か憶えのある既視感に似た感覚を覚えさせてくれるのです。
ジュベルダコダールの通りには見覚えのある4WDの日本車とドライバーと思しき男性が待っていました。
これから4日間お世話になるモロッコ人ドライバーのアマール・・って、
よく見るとレニー・クラヴィッツにそっくり!!
グラサンの掛け方といい、CDのジャケ写に絶対寄せてるだろ!!
う~む、アマールのそうゆう所、悪くない・・。
フランス人オーナーに別れを告げ
アイト・ベン・ハドゥに向け、出発!!
市街地を抜けた後は国道を南下、1時間程すると山岳地帯に入り山々や森林等自然の景観が目立ってきます。この辺りの地層は赤・茶・黒と水平断層が並びますが、垂直ずれが幾重にも織りなす層をより芸術的に見せ、車窓からの景色を美しくもダイナミックに見せてくれるのです。
車内ではアマールが運転しながらモロッコの歴史や自然について解説してくれます。
なんだか粗野な雰囲気の男だが、何気に細かく運転も丁寧。
アマールのそうゆうギャップ、悪くない・・。
そうこうする内、車はアトラス山脈の中腹、ティシカ峠あたりで停車。
ん?トイレ休憩?ドライブインかな?アメリカンドッグでも食うのかな?
見ると、中には香水のようなボトルや小瓶がズラリと並び、奥ではうら若き女性達がなにやら作業をしている様子。入るとナッツのようないい香りが鼻をくすぐります。
そう、こちらはモロッコの名産品アルガンオイルの工房。
どおりでオイルのいい香りが漂っていた訳ですね。
アルガンオイルとはモロッコに自生するアルガンの木に成る実から搾り出されるオイルの事で、美容にも食用としても栄養価が高い為世界中で人気の植物油なのです。
その製法は、硬い種子を一つ一つ手作業で割り、取り出した芯をペースト状にすり潰して搾油するという、非常に手間がかかる物なのです。
そうか!先程の女性たちは一つ一つ手作業で種子を割っていたのか。しかもその抽出量はごく僅かとの事で気の遠くなるお仕事!丁寧に作られたオイルこそ宝のような黄金色を纏うのですね。
なんだか日本の茶摘み娘を思い起こさせる。
いつの時代も良い物は健気な手仕事から生み出されるんだなぁ。
よしっ!ここはひとつ、この中年男も美意識を高めてアルガンオイルを使ってみようじゃないか!
プップ〜!
聞いた事あるクラクションの音?
もう出発するって?あ〜ん、待ってよ〜アマール!
アマールのつっけんどんなところ、嫌いじゃない・・。
今回も股旅ブルース、最後までお読みいただきありがとうございました。
次回、27話 アイト・ベン・ハドゥの蛇使いとリコーダー
をお送りします。
Argane Tichka Shop&Restaurant
Douar Amsitane Commune Rurale Zragtene
Amadsiydal モロッコ