窓際の席で発車を待つ地元の人々

こんにちは。中年バックパッカー旅すけです。
いつも股旅ブルースをお読み頂きありがとうございます。

世界を股にかけて旅する股旅ブルース。
今回はキャンディ駅からエッラまでの列車旅に出発します。

古い駅舎に時刻表、ノスタルジックキャンディ駅から列車の旅へ

深い渋みと芳醇な香り、紅茶の種類は数あれど、朝の紅茶は格別なのです。
程よく手入れされた庭園で小鳥の囀りを聞きながらイングリッシュスコーンと嗜むのが私の日課、そのうち木々の隙間からリスたちも寄ってきて小さなティーパーティが始まるのです・・。
お上品な紅茶のイメージを書いていたら、さすがに吐き気が・・、40を過ぎたオッサンの妄想であった、オエッ。
なぜ紅茶について書いたかと言うとここスリランカの主要輸出品はなんとみなさんご存知のお紅茶なのだ。スリランカ紅茶、いわゆるセイロンティーは南部の高地で栽培され年間33万トンも生産されている。
紅茶の輸出量でも世界3位と高く、なんと日本の紅茶輸入の約60%を占めているらしい。
日本で暮らす私たちも知らないうちにスリランカ産セイロンティーを口にしているかもしれないのだ。

そんな紅茶の一大生産地が、このキャンディからヌワラエリヤ、エッラへと続く列車の沿線沿いに広がっている。

車窓から見る茶畑は絶景として旅行者にも有名らしく、
これは逃す訳にはいかないとゆう事で朝のキャンディ駅まで来たのだ。
エッラまでは6時間、絶景を堪能しながら
大好きなローカル列車の旅、テンション上がるな~。

白亜の宮殿ならぬコロニアル建築が美しいキャンディ駅は乗車を待つバックパッカーたちで溢れていた。

駅舎は入口から数メートル程でホームに繋がっており小じんまりとしている。
列車の時刻表が改札横にあるのだが、木製の板に各行き先がペンキで書かれており出発時刻も文字盤の針を手動で動かすと言うなんとも可愛らしい作りなのだ。

乗車券も厚紙に印字された昔ながらの切符と言った感じで国鉄時代にタイムスリップしたみたい。
キャンディからエッラまでは約110Kmはあるのだが2等車で310ルピー、なんと194円!!
なんちゅう安さだ、青春18切符どころの話じゃないぞ!!

ノスタルジー感満載の駅舎を抜けるとホームに出る。3本敷かれているレールのひとつにたった今到着した列車が大量の乗客を吐き出していた。

僕が乗る予定のヌワラエリヤ行き列車を待っているとさらに旅行者も増え、最初は閑散としていたホームも混雑し始めている。
とゆうか、相当な乗客だけどみんな乗るのか?地元の人たちもいるぞ。
怪訝に思っていると古びた列車がホームにゆっくり近づいて来た。
車輪を軋ませながら列車が到着すると乗客達が一斉にドアに近づいた。
これはもう席争奪の嫌な予感しかない・・、静かな音を立てながらドアが開くと一斉に乗客達がなだれ込んだ。
ある者は走り、ある者はバックパックを放り、人種関係ない戦いが始まったのだ。
今思えば、壮絶な席取りって、イカゲームみたいだな・・。お~こわ!(ガリガリガリクソン)
こうゆう時、僕は意外と冷静に片隅で傍観するタイプだ。
結局、席には座れず通路沿いに場所を確保した。

車内は混雑して身動きひとつ出来ない鮨詰め状態。
立ちっぱなしで長時間の乗車はキツいな〜と思っていると横の席に座っていた地元の人がずれてくれて少し隙間が出来た。
OH〜、マザーありがとう!いまや聖母と化した女性の横に即座に腰掛けた。これは早かった。
ようやく席を確保出来て安心した所で列車は出発した。
とゆうか芋の子洗うような車内で景色どころじゃないけど大丈夫か!?
朝の山手線のような列車は静かに動き出すのだった。

今回も股旅ブルース、最後までお読みいただきありがとうございました。
次回、44話 ヌワラエリヤまでアクロバットで唸らせろ
をお送りします。

Kandy Railway Station
Platform 1,
Station Rd, Kandy, スリランカ