日本では見られない線路を闊歩する姿

こんにちは。中年バックパッカー旅すけです。
いつも股旅ブルースをお読み頂きありがとうございます。

世界を股にかけて旅する股旅ブルース。
今回はキャンディからヌワラエリヤ近郊のナヌオヤまで高原列車で移動します。

開放感あふれるスリランカの高原列車でアクロバット演技を狙え!

線路はつづくよ〜どこまでも〜、楽しい旅のゆめ〜つないでる〜。
童謡、線路はつづくよどこまでもは明るく楽しい列車旅を歌ったものであるが、元々は線路工夫の厳しい労働を歌ったアメリカ民謡らしい。
後世、日本のテレビ局が童謡として放送する際、歌詞を変更して出来たのがこの曲とのことだ。
今や気軽に列車に乗って旅行に出られる時代だが、
その成り立ちには昔の人々の並々ならぬ苦労があるかと思うと感慨深い。

ここはひとつ、彼らに敬意を払い安全な乗車を心掛けるべく、おとなしく着席して旅を楽しもう。
決して窓から首を出すなんて行為は・・、ってオイッ!!そこの君っ頭出して危ないじゃないかっ!!
何年何組だねっ?コラーっ!君は手を出したらいけないんだぞっ!
んっ?よく見ると車窓は全て開放されて手なり頭なりが出てるではないかっ!!

これはもう由々しき事態である!
男塾塾長、江田島平八なら間違いなく地獄に落としている所だ。
なんとキャンディからヌワラエリヤ、エッラまでの高原列車は窓も扉も全開可能。
走行中でも自由に風景を間近で眺められたり、新緑の風を感じる事が出来るのだ。
今の時代、日本だと安全性が優先されて絶対無理だろうが、さすがスリランカ鉄道である。

よく見ると、窓から手なり頭なりだけでなく、開放された乗車口から体ごと飛び出してスマホで撮影する人もいる。いやいや、危ないだろ。

あちらの旅行者のカップルなんか片手だけで捕まってイチャついたり、ナディアコマネチも真っ青のアクロバットポーズで決めてるのだ。
むむっこんな山奥で金メダル級の演技が見れるとは!!
よしっこれはもう絶景アクロバット写真を撮らなければと、乗車口から手を伸ばしてスマホで撮影しようとするが、こえ〜!めちゃこえ〜よ!大人しく腰掛けて風景を楽しむ事にするのだった。

アクロバットな撮影は出来なかったけど、開放された扉近くに座っているだけでも気持ちいい。
山間部の絶景も間近で堪能出来るが、吹き抜ける自然の風や木々の香りも感じられて窓越しとは比べものにならないくらいリアルな空気を体験出来る。
途中、小さな駅で停車したのだが、その間もみんな足を投げ出してプラプラ。
地元の人たちも堂々と線路を歩いてる。
スリランカ、大らかすぎて鼻血でるぞ。伊代ちゃんめちゃ怒られたのにな。

列車はまた出発して緑豊かな山間部を通過する。
風景を見ながらぼんやり風を感じていると、横にスリランカ人の少年が座ってきた。
見ると後ろには友人達らしき少年も数人、乗車口に集まって風景を見ていた。
あっ、長い間場所を占有してしまったなと思い少年達に場所を変わってあげると言うと、いいよいいよとそのまま座らせてくれた。
人懐っこい少年たちで、その後もお菓子を分けてくれたりした。
こちらもお菓子をあげたりするとみんな喜んでつまんでいた。
次の駅で降りるとの事だったので最後にみんなで写真を撮って別れた。
ほんの束の間だったけれど地元少年たちと楽しい時間を過ごしたのだった。
これがあるからローカル列車はやめられない。
楽しい旅をつなぎながら鈍行列車は茶畑広がるヌワラエリヤを目指すのだった。

※窓や乗車口から手を出したり、体を乗り出しての乗車は大変危険なのでよいこの皆さんはやめましょう。

今回も股旅ブルース、最後までお読みいただきありがとうございました。
次回、45話 ヌワラエリヤに広がる茶畑の香り
をお送りします。

Nanuoya Railway Station
Nanuoya, スリランカ
☎+94522222873