こんにちは。中年バックパッカー旅すけです。
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世界を股にかけて旅する股旅ブルース。
今回はスリランカ南部のリゾートホテル、ヘリタンスアフンガラをご紹介します。
天才建築家の迸る才能。ヘリタンスアフンガラは冷たくて暖かい。
1919年、スリランカ(当時のセイロン)に1人の天才建築家が生を受ける。
ジェフリーバワ、後に数々の建築デザインで国内きっての建築家として名を馳せる事となる。
その偉業はスリランカだけでなく、世界中から評価され“東南アジアの相貌を変えてしまった”と言わしめる程であった。
デザインした建築は多岐に渡り、ホテルや住宅のデザインだけではない。
国会議事堂や寺院など、これまでデザインとは程遠いとされた行政的建物すらもその佇まいを魔法のように変貌させたのだ。
上記の言葉を借りるとするならば、彼の存在する前と後では、相貌だけでなく時代すらも変えてしまったのだ。
前置きは長くなったが、本日ステイするのは数あるバワの有名建築のひとつ、ヘリタンス・アフンガラである。
アフンガラはスリランカのビーチリゾート。高級なリゾートホテルからリーズナボーなゲストハウスまで海岸沿いに乱立する中で、静謐さと洗練されたデザインで一際存在感を放つのがヘリタンスだ。
場所は鉄道のアフンガラ駅から徒歩12分の好立地の為、コロンボやゴールからも行きやすい。
ヘリタンスのロビーに一歩足を踏み入れると、バワの魂を一身に浴びる事が出来る。
外界とホテル内部の境界が緩やかに消えてゆくような朧げな感覚に襲われるのだ。
それは、一切の無駄を省いたデザインの柱や床、天井を目の当たりにするからかもしれない。
白を基調とした空間の中心に、ウォールナット材のような深い色味のテーブルとベンチが設えてあり無機質なデザインの中にも暖かみを感じるのだ。
見渡す木々の自然の中に佇む人工物との調和、これこそがバワデザインの真骨頂とも言うべき所以だろう。
ロビーの奥には一面にインド洋の空と海が広がっているのだが、手前には巨大なプールが造られ、海とプールが繋がっているかのようにデザインされている。
そう、インフィニティプールである。
この“無限”を意味するプール、水盤や外縁を水で覆い、縁がないかのように見せる構造なのだ。
今でこそ世界中のホテルで採用され度々目にする事もあるのだが、なんとこのデザインを発明したのはジェフリーバワらしいのだ。
ここアフンガラのインフィニティプールは元祖ではないが、名匠の作品を思いっきり堪能できる。
ロビーから眺めるとプールと海、空の青が足元から見上げる高さまで広がり空中を彷徨うかのような既視感を感じる事が出来るだろう。
部屋に入ってみると、またもや躊躇してしまう。リゾートホテルにありがちな豪奢さがひとつもなく無駄のない洗練された家具や調度品が配置され、一見すると書斎のように思われた。
直立する机の脚と婉曲したアルミシェード、深い色味の木製家具と額縁のない白壁。ひとつひとつが静かなデザインとして調和し、整然とした空間を造りあげているのだ。
ホテルの一室と言ってしまうにはもったいない、上質なステイを約束してくれる。
さて、ディナーには併設のレストラン・juteがおすすめだ。
夕食時はビュッフェスタイルに変わり、数十種類の料理が並ぶ。
料理の種類は多岐に渡り、スリランカ料理の他、西洋料理や中華も用意される為、数日の滞在でも飽きる事はないだろう。
ダールやサンバルなど、お好みのカレーを組み合わせてオリジナルのスリランカカレーなんていかがだろうか。
シェフに注文できるオーダー料理もあるので、ぜひ堪能して頂きたい。
ホールに戻るとプール外縁部に椅子のような物が置かれているのに気がつく。
形は座席に背もたれがついているが、腰掛けるスペースが後ろと前で2カ所存在する不思議な椅子。
2人が両側から腰掛けると向き合うように作られているとゆう。
なんともお洒落とゆうかお茶目なデザイン。
愛する2人が揃って夕陽を眺めるなんてロマンティック。
静かに佇むヘリタンス・アフンガラ。
訪れた人々にホテルの枠に収まらない贅沢な空間を提供してくれる。
これからもバワ自身の理想郷としていつまでも存在し続けるだろう。
今回も股旅ブルース、最後までお読みいただきありがとうございました。
次回、51話 アフンガラで駅前バッドコミュニケーション
をお送りします。
ヘリタンス アフンガッラ
Heritance Ahungalla
Galle Rd, Ahungalla,
☎+94915555000
http://www.heritancehotels.com/ahungalla/