サハラの丘から見下ろすスフィンクス像

こんにちは。放浪のバックパッカー旅すけです。
いつも股旅ブルースをご覧頂きありがとうございます。

世界を股にかけて旅する股旅ブルース。
今回からエジプトの旅をお届けします。
悠久の歴史が生み出したエジプト文明と現代の中年バックパッカーは相容れるのか!?
はたまたナイルの藻屑と消えるのか?

カイロで味わう絶品エジプト料理とナイル河のハイテンションなボートクルーズへ!!

まさか自分の人生において、エジプトに行くなんて想像もしなかった。
もちろん旅は好きだし、歴史や考古学にも興味ある。
だけどエジプトの地を踏むなんて考えてもみなかった。
なぜならば、楽しくて快適な旅先なんて世界中にいくらでもあるからだ。
アジアに行くならタイやバリ島等のリゾートがあるし、夏の休暇を過ごすならスペインやイタリアもいいだろう。
事実、目的地をエジプトに決める前、コロナの入国規制がない目的地としてシチリア島かマドリードかで迷っていたのだが、インスタ広告にふと目が止まってしまったのだ。
夕陽に照らされたピラミッドとラクダの写真に。
航空券を調べてみるとアブダビ経由のエティハド航空が格安であった。
ヨーロッパのリゾートで美食と美しいビーチで過ごすか、数千年の歴史と遺跡で見聞を深めるか。
両天秤に掛けた結果、僕の心はエジプトに傾いてしまったのだ。
しかし、そうは言っても世界3大ウザい国と評される程悪妙高きエジプト。
休暇なのにインドのような戦いの予感をヒシヒシと感じていたのだ。
この予感は正に的中することになるのだが・・。
期間は13日間、カイロ〜アスワンと寝台列車で移動し、アブシンベルからルクソールの遺跡群、最後にピラミッドに向かう事にした。

もちろん、帰国前にはPCR検査の予備日も確保したが、予約なしの現地で受診することにした。
コロナは大丈夫だろうか、無事に巡れるだろうか、エジプト人と口喧嘩の応酬だろうか。
幾多の不安を抱えつつ、成田発エティハド航空機はアブダビに向けて飛び立つのだった。

成田からアブダビまでは13時間、ほぼ満席に近い機内は快適とは言いにくかったが最新に近いボーイング787はエンタメやアメニティも充実していた。

トランジットで数時間待機の後はエジプトカイロに向けて出発した。
2時間程すると眼下にシナイ半島の先端が見えて来た。

中東から突き出た半島は既に黄土色に染まり砂漠の大地を目の当たりにさせた。
紅海を過ぎるとそこはエジプト領内、ひたすらに砂漠の大地が広がっている。

アフリカ大陸の3分の1を占めるサハラ砂漠はアメリカの国土とほぼ同じ面積だと言うから驚きである。
飛行機は午後2時、カイロ国際空港に到着した。

7月のカイロは暑期。日中は40度を越える酷暑もざらで、歩く事も気怠くなってしまう。
空港の駐車場でウーバーのドライバーと落ち合うとすぐ様出発した。
空港から市街地までは約30分。
ハイウェイを通ると渋滞を回避して時間も短縮出来る。
それにしてもエジプト、信号機がないのか!?
車やバイクもガンガン飛ばすし、通行人もそれを潜り抜けて渡っている。
この時点でエジプトのウザさをなんとなく感じてしまった。
オベリスクを中心としたタハリール広場からしばらくすると広大な河が見えて来た。
そう、これこそが母なる河、ナイルである。

太古の昔から豊穣と氾濫をもたらしたナイル川。
現在のエジプトの繁栄はナイルの産物と言っても過言ではない。

雄大なナイルの流れを横目に本日のホテルに到着した。 

チェックインした後、部屋のベッドでゆっくりしていると疲れていたせいかそのまま爆睡してしまった。
目を覚ますと、なんと夜の8時!!は、は、8時!!小池ばかたれっ!
外真っ暗!おいおい、カイロ初日を無駄にしちまったぜ!
とりあえずディナーでもと飛び起きたのだ。
やって来たのはナイル河近くのレストランAbu El Sid(アブーエルシド)。
伝統的なエジプト料理と手頃な価格で観光客にも人気のレストランだ。

中でもレストランの内装がアラビア風の調度品や照明で雰囲気をぶち上げてくれる素敵な空間だ。

イスラム国家であるエジプトでビールが飲めるのも嬉しい所だな。

早速料理を注文すると、まず運ばれて来たのがフムスと呼ばれるソースのような物。
こちらは中東諸国で食べられているひよこ豆のペースト。

エジプトでは野菜や肉につけるディップとして日常的に食べられている。
これがまた絶妙な塩加減と濃厚なコクで美味しい。
エイシと呼ばれる平焼きパンにつけたら止まらなくなってしまった。
次に運ばれて来たのは、ぶどうの葉で挽肉やハーブライスを包んだドルマデスと呼ばれる料理。
もう名前からしてドラクエのラスボスだが、味は一転柔らかくて食べやすい。
ミントのハッカも口に残りスッキリしている。

メインはウサギと鳩の肉を。
どちらも滋味深いお味、少し淡白かな。
しかしエジプト料理、あんまり期待してなかったけどこんなにスパイスやハーブを豊富に使いアレンジしてるとはいい意味で裏切られてしまったぞ!

お腹いっぱいで夜のナイル河沿いをぷらぷら歩いているとなんだか盛り上がっていた。よく見るとリバーサイドの道沿いにカフェやレストラン、雑貨屋がオープンしている。
中にはオブジェや撮影スポットもあって市民の憩いの場になってるみたい。
へぇ〜、エジプトて夜はもう真っ暗かと思ったらナイトマーケットもあるし意外と開放的なんだな。
なんて思いながら歩いていると、中型のド派手な電光色をつけたボートに行列が。

なんだなんだ?近くに寄ってみると中から若いアニキが呼び込んで来た。
“へ〜い、兄さん乗ってきなよ!”どうもボートでちょっとしたクルーズが楽しめるらしい。
中は両側がベンチになって既にエジプト人でいっぱいだった。

えー面白そう!僕はこうゆうハイテンションな事に目がない。
料金は日本円で300円くらいだったか、支払って乗り込んだ。
ボートはゆっくりと出発すると河の下流にむけて動き出した。
すると突然、爆音のダンスミュージックが流れ、船頭たちや乗客達が踊り出したのだ。
えっこうゆう音楽聞くの!?なんか意外!!
ナイル河沿いの夜景も素敵だけど、エジプト人がこんなにハイテンションだとは思いもよらなかったなー。
ボートは20分間ダンスミュージックかかりっぱなし、遊覧を終えると元の船着場に戻ってきた。
あ〜楽しかった、帰り際にボートの写真撮ってると、アニキ達がまた笑顔で手を振ってくれた。

も〜そうゆうのキュンとしちゃうぞ!!

いやはやエジプト料理と言い、ナイル河ボートと言い、かなり楽しかった。
エジプトの人がこんなにお茶目でテンション高めだとは。
なんだかんだでカイロの夜を満喫した初日だった、昼間爆睡してっけどな!

今回も股旅ブルース、最後までお読みいただきありがとうございました。
次回、85話 カイロのシタデルで祈って学んで恋をして
をお送りします。

Abou El Sid Restaurant
ابو السيد
157 26th of July Corridor, Mohammed Mazhar, Zamalek, Cairo Governorate 4271050 エジプト
☎+20227359640/13:00~1:00
http://www.abouelsid.com/