今も魅惑の美しさを誇るシギリヤレディ

こんにちは。中年バックパッカー旅すけです。
いつも股旅ブルースをお読み頂きありがとうございます。

世界を股にかけて旅する股旅ブルース。
今回はシギリヤロックに今も息づくレディに会いに行きます。

美しい壁画に獅子の門シギリヤ芸術の真髄とは?

スリランカと言う国を光り輝く島国とはよく言ったもので、
緑豊かな大自然はインド洋に浮かぶ太陽の光に照らされ、まるで雨後の露を散りばめたかのようにキラキラと輝いていた。
シギリヤロックを登り始めて数十分。
徐々に光り輝く木々を眼下に見下ろすようになると、激しくなるのが階段の傾斜と動悸である。
頂上まで続く1200段もの階段が悪魔のようにこの運動不足の足腰を痛めつけるのだ!
OH〜マダマダノボリハジメタバカリデースネー!とケントデリカット風の天使が頭の中に現れて嘲笑うのだが、比叡山延暦寺の苦行と思い、無の境地となりて一段一段踏み締めるのだった。

程なくすると、スリランカ人ドライバーアキラが岩の中腹部を指差す。
そこは、岩の側面がコの字に削られ崖のように凹んだ登山道が100メートル程続いていた。
しかも崖側にはベニヤ板のような木製の壁が設えてあり全面が覆われていた。
通行時の落下防止用だろうか?それならステンレスの柵にすればいい話だが?

“あそこが中腹で、レディの壁画があるね”

レディ?ガガ?なんでだよっ!!ガガ様の壁画あったら大発見だろっ!吉村作治も喜ぶぞ!
とひとりボケツッコミをかましてしまう。

そう、レディとはガガでもヒラリークリントンでもなくシギリヤレディの事。
シギリヤレディとは壁面に描かれた美女たちのフレスコ画の事。
美女の壁画と聞いて黙っちゃいられない!行くぞ!
激しい動悸と共に駆け上がってみると、なんとも美しい美女たちが壁に描かれているではないか!
しかも半裸の女性達もチラホラ。
今も現存するのは16体のみだが、なんと当時は500人も描かれていたと言うから驚きである。
壁画は時代と共にその美しさを著しく風化させてはいたが、古代王朝の文明とその芸術性を知るには申し分ないものだった。

シギリヤレディから崖沿いを歩くと、例のベニヤ板の通路に出る。
なんでこんなもの作ってんだ?景色が全然見えないじゃないか!と頭のケントデリカットが騒ぐのだ。
なんとこの壁、ミラーウォールと呼ばれ当時は鏡のように磨かれ、この壁ごしにシギリヤレディを拝めたと言うではないか!
本当かよ!そんなすごい壁ならCIAが尋問に使えそうだが。
う〜む、古代スリランカ、恐るべし。

ミラーウォールからは螺旋階段を登る。登った先は中腹が開けており展望台のようになっている。
そして山頂までの最後の階段になるのだが、入口の両横は動物の爪のような石のオブジェが造られていた。

ここが、シギリヤロックでも有名なライオン広場だ。
今は両足の爪部分しか現存してないが、当時はライオンの頭部が門として造られており、牙を剥いた口の中を登って行ったらしい。

なんだか悪趣味なのか、ハイセンスなのか。
スリランカ王朝の王様カッサパ1世、独特のセンスをお持ちのよう。
美女たちとも毎晩宴会だったんだろうか。
今も来訪者を魅了する芸術や建築は奔放な精神から生み出された自由の産物かも知れない。
もしかすると物凄い天才だったのかも。
うらやまだぞ!と、これまた頭の中のケントデリカットがザワつくのだった。
ユタ州はそんなとこじゃないよ!

今回も股旅ブルース、最後までお読みいただきありがとうございました。
次回、41話 シギリヤロックは儚くも散り果てる
をお送りします。

シギリヤ ロック
Sigiriya
8 Ela pahalawewa, Dambulla 21100 スリランカ
☎+94112426900/7:00~17:00
https://sigiriyafortress.com/