暴走バスの首謀者ことローカルバス運転手

こんにちは。中年バックパッカー旅すけです。
いつも股旅ブルースをお読み頂きありがとうございます。

世界を股にかけて旅する股旅ブルース。
今回は山間の町エッラからローカルバスで国立公園で有名なヤーラまで移動します。

必死!!エッラのローカルバスの行き先は天国か、地獄か!?

バックパッカー達の楽園で有名な山間の町エッラ。
その理由は、ナインアーチブリッジなどの観光名所や街中に広がるBARやレストランの充実さだけではない。
山間の街だけあって、雄大な大自然を身近に感じられたり、年間の平均気温が20~28度と調度良く湿気も少ないため快適に過ごす事が出来るのだ。

そのため、外国人観光客だけでなく現地旅行者にも人気の観光地として発展しているとのこと。
小じんまりした街は穏やかな時間が流れ、地域住民ものんびりとした暮らしぶりが垣間見れる。
キャンディからローカル列車で到着した昨日は山間のホテルに宿泊したのだが、
ベランダからは緑豊かな山々の景色が一望出来、こんな中年バックパッカーもマイナスイオンで癒されたのだった。蚊の食われようは尋常ではないが・・。
血液型O型とメタボリックの宿命であろうか・・、旅するみなさん、虫よけスプレーは必須ですぞ。

さて、今日はエッラから国立公園で有名なヤーラまで移動する。
ヤーラはスリランカの南部、海岸沿いに位置し自然の中に生息する動物たちを観察できる
サファリドライブで有名だ。
距離にして約100Km、ローカルバスで2時間半の行程だ。

バスの停留所は町の大通り沿い、繁華街から少し南に下った所にある。
停留所にはツーリストだけでなく地元の人々もちらほら。
待つこと数分で古いバスが到着した。
ゆっくり停車すると乗客たちも続々と乗り始めた。僕が乗る頃は席も埋まってしまった為
運転席横に立つ事にした。
内装は スリランカらしく仏教写真が所々に貼ってあり、この地元感溢れる感じが堪らない。

こんな素敵な町をたった1日で通過するのは非常に惜しい気もするが時間の都合上致し方ないのだ。
あぁ~、次回は1週間ぐらいエッラでのんびりしたいものだなぁ・・。
バスは静かに発車する、さよなら・・、エッラ~~~~~~!!って待て待て!!
バスはとんでもないスピードで走り始めたのだ。正に暴走バス!!
対向車もお構いなしで急カーブを走り抜け、その度に右に左に傾いてゆく。
おいおい、キアヌとサンドラか!?
さっきまで、エッラの優しい雰囲気に癒されていたのに、微塵も感じさせない鬼の運転テク。
ドライバーのオヤジは神がかり的にハンドルを切り続けている。
えっドリフトキング土屋圭一さん憑依してます・・?
それか、お名前Dから始まるとか・・?
とにかく決死のスピードで両手捕まってないと窓から飛び出してしまいそう。
その前に心臓が口から飛び出しそう!!
右手は壁、左手は崖とゆう、はとバス添乗員もビックリの山間道路を猛スピードで下山する。
途中で何度も崖にぶち落ちそうになるのだが、寸前でハンドルを切り返す。おいっドライバー!こんな所で死にたくないぞ!
程なく下山し、バスがようやく街中に入った頃には、恐怖と安心感で頭から煙が噴出するようであった。
ここは天国?地獄?地球の皆さん、生きてますか・・?

さっきまで暴走していたバスも街中に入ると通常の安全運転にかわった。
なんだか学校では優等生なのに、裏ではタバコ吸ってる高校生みたいな運転手だな。
ローカルバスのため、要所要所で停車し地元の人々を乗り降りさせてゆく。

道路沿いにもスリーウィーラー(オート三輪)が増えてきた。
このスリーウィラーだが、アジアでは有名な三輪バイク。
タクシーとして利用されているのがほとんどで、旅好きなら一度は乗った事があるはず。
しかし、地域によってその呼び名が全く違うのだ。
タイではトゥクトゥクと呼ばれているが、その由来はエンジン音からだし、
インドやバングラデシュでは日本語の「人力車」からリキシャー(リクシャー)と呼ばれている。
※エンジン付きのはオートリキシャー
スリランカのスリーウィラーはそのまま「三輪」だろう。
もちろん、日本だってオート三輪なんて呼んでいる。
同じ三輪バイクなのに、こんなに呼び方が違うなんて文化の違いとは本当におもしろいものだ。

バスは地方の街タナマルウィラを過ぎたあたりから再び自然色が強くなって来る。
途中、右手にはパネガマワ湖と呼ばれる小さな湖を見ながら走るのだが、そろそろ海に近づいている事を感じさせてくれた。
ヤーラ手前のウィラウィラ湖に差し掛かるあたりで僕はバスを降りた。
今日のホテルはFlameback Eco Lodge。
湖に面した場所に位置した自然を満喫できる宿泊所である。今回はコテージではなく
水辺のテントに滞在する事にした。テントと言ってもほんとに小さなテントだけって事ではなく、
通常のホテルぐらいの広さにシャワーやトイレ、ベッド、クローゼットまで備わっているのだ。
建物こそ強化ビニールだが、ベランダにはハンモック、エアコンも完備でそこらのホテルとも遜色ない。
ロビーがある建物は木製の三階建てでレストランやツアーデスクもあり、小さいがプールもある。
チェックイン後はプラプラ敷地内を探索したが、水辺のせいか野鳥の声や波の音も清々しい。
ふと見ると、ホテルスタッフが魚釣りをしていた。

釣果はと言うと、小さな鯵のような魚が数匹釣れていた。
釣り竿もリールとかではなく、木製に糸を付けただけで簡素な物であった。
なんだろう、この違和感!さっきまでの暴走ドライブが夢だったかのよう。
エッラもヤーラもこんなにのんびりなのに、あの狂気じみた運転はなんだったのか!!
穏やかなスリランカ人の違う側面をまたまた垣間見れて複雑な気分なのだった。

今回も股旅ブルース、最後までお読みいただきありがとうございました。
次回、47話 ヤーラのサファリはジープの楽園
をお送りします。

Flameback Eco Lodge
Weerawila Estate, Wirawila, スリランカ
☎+94475100100/checkIn15:00checkOut11:00
http://www.flamebackecolodge.com/