古いクラシックカー溢れる街は旧時代を思わせる

こんにちは。放浪のバックパッカー旅すけです。
いつも股旅ブルースをご覧頂きありがとうございます。

世界を股にかけて旅する股旅ブルース。
今回からは、カリブ海に浮かぶキューバを旅します。最後はニューヨークにも寄り道したりで、初北米大陸旅行はどうなるのでしょーか。

クラシックカーと葉巻の匂い。ハバナの街は古き良き時代。

2017年はアメリカにとって激動の年だっただろう。
実業家として有名なドナルド・トランプ氏が大統領に就任したのは年明けの1月20日だった。
彼は就任演説でアメリカ第一主義、“America First”を掲げた。
その影響は国内だけでなく、周辺国家や同盟国にも影響を及ぼす事となった。
カリブ海に浮かぶ島国キューバ、小さな社会主義国であったこの国も例外ではなかった。
前任のオバマ大統領が打ち立てた国交正常化や融和政策を180度転換し、再び経済制裁の引き締めに乗り出したのだ。
いくら当主交代とは言え、晴天の霹靂。
キューバ国民はさぞ憤懣やる方ない思いを抱えたであろう。
僕はと言えば、当時次の旅先に同じくカリブ海に浮かぶセント・マーティン島を予定していた所、突如として発生したハリケーンにより島は壊滅的な打撃を受けた為、目的地の変更を余儀なくされたのだ。
代わりに白羽の矢を立てたのがキューバだった。
そう、この決断もアメリカが関わっている。
当初の融和政策から、これまで鎖国状態だった国を貿易や観光に向けて解放された為、ビザも簡単に発給されるようになっていたのだ。
僕は早々にフロリダ経由の航空券とキューバ大使館での査証を取得した。のだが、
なんとトランプ政権の経済制裁によりアメリカからのキューバ入国が突然禁止されたのだ。
愕然とすると共に憤懣やる方ない日本人がここに1人。
仕方なく航空券をキャンセルし、カナダのトロント経由に変更したのだった。
くそーっ!トランプめー!キャンセル代払わすぞ!!

そんなこんなでキューバの旅は始まった。

今回の旅は10日間でハバナを5日間とトロントから寄り道したニューヨークで5日間過ごした。未だ配給制が残る社会主義ハバナと世界経済の中心、資本主義のニューヨーク。
これ程真逆の旅があったであろうか。
しかしキューバと言えば陽気な気質と音楽のイメージ、風光明媚な旧市街にはクラシックカーが走ると聞く。
嫌でも期待は膨らむのだった。

キューバの首都ハバナの空港には深夜到着した。
本日はハバナ近郊のホテルBeLiveHavanaCity Copacabanaに泊まって明日から本格的に市内観光に周る。
空港からのタクシーから街並みをぼんやり眺めるが、まぁ普通の街並みで少々ガッカリ。
やっぱりガイドブックとかで見るキューバの風景て旧市街ぐらいだろうか。
ホテルに到着したが、既にレストランも閉まっていたのでホテルのロビーで簡単な食事を取った。
キューバと言えばキューバサンドでしょ!!早速、キューバサンドを注文。

出てきたサンドには大振りで固めのパンにチーズやサラミが挟んであった。
食べ応えがあって美味しい!

もうひとつビーフサンドを注文したらカットしたパンにチーズと手切りのひき肉が挟んであった。
手切りのビーフが濃厚で熱々、正直あんまり期待してなかっただけに感動だった。

翌朝、ホテル前からタクシーで中心地まで移動。
当初は変わり映えのない車窓にも段々とクラシックカーが走り始め、古いコロニアル建築が目立ち始めた。
これこれー!待ってたのこれー!
ハバナを二分するエンドラーダ運河沿いのプエルト通りはアメ車で一気に渋滞するのだった。岸壁に打ちつける波濤も絵になって渋い!
キューバの風を感じながら感動していると、タクシーはメインストリートであるオビスポ通りに停車した。

街並みは古いヨーロッパ調の建物が並び、そこかしこの路上でバンド演奏してて地元の人が踊ってる。

走ってるのはクラシックカーばかり。
これぞキューバ!植民地時代の名残りか、ヨーロッパの雰囲気もあるが、カリブ海特有の熱気から南国のような開放感も感じられる。

街で見かける看板やショーウィンドウは全て老朽化しているのだが、古さと言うよりも旧時代にタイムスリップしたかのようだった。

路上から聞こえるサンバのリズムや集合住宅のベランダで風に揺らめく洗濯物が演出しているのかも知れない。

オビスポ通りは1770年に建てられた大聖堂のあるカテドラル広場や、元国会議事堂だったエル・カピトリオにも続いている。
通りは行き交う人々ですごい賑わい。
未だ配給制のためか、所々でキューバ人が並んでカウンター越しに食品を受け取ったりしている。

ある配給所の入口を通りかかるとキューバ人の女の子が3人仲良く出て来た。
みんなモデルのようにナイスバディで南米特有の小麦色より濃いめの健康的な肌だった。
突然、その内の1人が僕を見て話しかけて来た。
“あなたチャイナ?”
“ノン、ジャパニだよ”
“どこ行くの?”
“別に・・、ここらへんぶらぶらしてる”
“そう、じゃあね!”女の子たちはゲラゲラ笑いながら人混みに紛れて行った。
その後も、バーの店員やら、行商のおっさんやらよく声をかけられた。
インドやネパールのように、タクシーに乗れとか、これ買ってけって感じではなく、単純に声を掛けてるようだった。
陽気で人懐こいキューバ人、ラテンのリズムは骨まで染みついてるようだった。

キューバの首都ハバナは初めて来たけれど、なんだか懐かしい感じがした。
恐らくこの街には満員電車も高いノルマもないだろう。
昔の日本にもこんな雰囲気があったのかなぁなんて、少し羨ましく思うのだった。
よーし、ハバナ探検すっぞ!!の前に本日のホテルへ・・・。

今回も股旅ブルース、最後までお読みいただきありがとうございました。
次回、60話 ハバナのアンボス・ムンドスで文豪に会う
をお送りします。

Obispo
オビスポ通り