こんにちは。放浪のバックパッカー旅すけです。
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今回はラダックのレーの街を旅します。過酷な環境で生きる人々の支えであるチベット仏教。
その文化は街の至る所に根付いていました。
パレスが見守るレーの街。チベット仏教にイスラム教、多様な暮らしはラダックならでは。
標高約3,600mに位置するラダック地方のレー。
ヒマラヤ山脈に囲まれ隔絶されて来た街は未だチベット文化を色濃く残す。
至る所で目にするゴンパ(寺院)やストゥーパ(仏塔)は、ここがインドである事を忘れさせる、正にインドなのにインドぽくない特殊な領域である。
到着した初日は高山病対策のため、ホテルの部屋でゆっくり休むのだが、いかんせん落ち着きがないので、もうウズウズしてしまうのだ。
あーなんてつまんないんだろう。旅先の初日なのに、部屋で寝てるなんて考えられない。
しかも天気は快晴と来ている。
なんだここは!獄中か!?神よー!我に自由を!なんて嘆いていると、突然部屋の電話が鳴った。
聞けば、ロビーに来客だと言うではないか。
そうだった、今回の旅でツェチュやホームステイを依頼していたラダッキーのスカルマさんが来るんだった。
僕はようやく部屋から出られる事を喜びながら、階段を駆け降りた。
ロビーでは中年の男が待っており、にこやかに挨拶して来た。
スカルマさんは生粋のラダック人でレー発着のツアーや宿泊の手配をしているそう。
ロビーではなんだからと近くのカフェに行く事になった。
やっとホテルを脱出できるぜ!ロビーのスタッフが何か言いたそうだったが、スカルマさんが口を利いてくれた。
カフェでは今後の予定を立てる。
今回のラダック旅行のメインとなるへミスゴンパのツェチュには明日向かい、その後はゴンパ巡りをして、そのままホームステイ先に送ってくれるらしい。
スカルマさんは最後に今日はホテルでゆっくりして下さいと、ロビーのスタッフと同じ事を言って別れた。
気づけばカフェの前にひとり、、チャ〜ンス。
レーの街は山の裾野に広がっている。
中腹部には件のレー・パレスがあり、その前をメインストリートとして、商店街が広がっているのだ。
ラダック地方の大部分をチベット民族が占めるため、街中のレストランや土産物屋はほとんどがチベットにまつわる物だ。
ちょっと小道に入ると、イスラム教のモスクもあったりするから多様な地域でもあるのだろう。
今日は快晴だし、ぶらっとするにはちょうどよい、おっと高山病の恐れもあるから、無理しないでおこう。
小さな街だとは聞いていたけど、人口は3万人もいるらしくなかなかの雑踏だった。
大通りから一本中に入ってみると、なにやら念仏が聞こえて来た。
声のする方を覗いてみると、チベット仏教の寺院があった。
寺院は壁や軒など至る所にカラフルなチベット装飾が設えてあり、その信仰の深さが伺えた。
内部に続く階段を上がると、奥に鎮座する仏像と左右向かい合わせで修行僧の人々が座って念仏を唱えていた。
院内にはお香が焚かれ、煙をくゆらせながら一筋の真っ白い線を描かせている。
念仏はリズミカルに続き、所々で鈴や輪の音が響き渡っていた。
チベット寺院は初めて来たが、タイやミャンマーのそれとは大きく違うらしい。
お釈迦様の顔立ちもより日本の仏像に似ている気がする。
明日のゴンパ巡りに胸を膨らませながら、荘厳な寺院を後にした。
荒涼とした大地に根付く、チベット文化を目撃せよ!
レーにはレジデンシャルなエリアがある。
メインストリートから東側は地元ラダッキーたちの居住区となっている。
閑静な住宅街とは言いがたいが、昔ながらの建物やストゥーパ、小さな商店があって散策するには面白い。
住宅は主に煉瓦や石造りのようで、見慣れた木造住宅とは違って無機質で廃墟のように見える。
中にはシャッター街になっている通りもあって、かつての賑わいを感じさせた。
王宮がある山の付近は登り坂になっており、道も入り組んで迷路のよう。
時々崩れかかったような建物にゲストハウスなんかの看板を見つけたりすると、勝手に心配になる。
大きなお世話なんだけどね。
道行く人々は気さくに挨拶してくれる。
なんだかラダックの人々は日本人と顔立ちが似ている気がする。
ネパールもそうだけど、チベットや山間地域の民族は日本人と元は同じ民族なんだろうか。
見ると巨大なマニ車を見つけた。
マニ車とは丸い筒の周囲に経典が書かれた仏具。
チベット文化圏ではよく見かけられ、真ん中を支柱で支えられておりクルクルと回す事が出来る。
一度回すとお経を読んだ事になるらしく、手のひらサイズの小さな物から2メートル以上もある巨大な物まであるのだ。
道の片隅に東屋が建てられており、真ん中に大きく設えてあった。
これだけ大きいと全体重をかけないと回らないんじゃないだろうか。
横から力強く押すと、マニ車はゆっくりと動きだした。
オンマニペメフム、オンマニペメフム。
なんとなく気分は北斗の拳に出てきた街の人々だが、
ラダッキーのように念仏唱えて手をあわせてみたりした。
レーの街角を散策してみたけれど、所々で伺えるチベット文化の片鱗や荒涼とした地域の暮らしぶりが新鮮で、これまで旅した街とはまた違う雰囲気だった。
こんな山岳地帯で生きて行くのは過酷だろうなぁと勝手に想像しながら、ホテルに戻る事にした。
ロビーのスタッフ、怒ってんだろうなぁと思ってドアを開けると、案の定少し怒っている。
早く部屋に戻れと言わんばかりの形相だったので、僕は飼い犬のようにハウスしたのだった。今日何回目のハウスだよっ!?
レー・パレス
Leh Palace
Namgyal Hill, Leh, Jammu and Kashmir 194101
8:00~17:00
山頂に位置する旧王宮。美しい市街の眺めを楽しみながらハイキングで行くことができる。