膝元に転がる日本製のアルトリコーダー

こんにちは。中年バックパッカー旅すけです。
いつも股旅ブルースをお読み頂きありがとうございます。

世界を股にかけて旅する股旅ブルース。
前回まで、アトラス山脈のアルガンオイル工房で美意識を高めようとするも、モロッコ人ドSドライバーに
翻弄されてしまう未だ青春が抜けきらない中年バックパッカーなのでした。
今回はアイト・ベン・ハドゥの眉唾ものの蛇使いたちと出会います。

灼熱の荒野広がるカスバを目指せ!

モロッコの冬は気温差が激しい。日中は20度を越えるかと思えば、夜は氷点下まで冷える事もある。
モロッコを南北に横たわるアトラス山脈も緑豊かな一帯もあれば、山頂は降雪の風景が拝めたりする。
2月の今は俗に雨の季節らしいが旅行中ほとんど降らなかった。

旅を続けていると、徐々に服装に無頓着になってくる。なんせ、シャンゼリゼ通りのようなオシャレな目抜き通りを歩くわけじゃなし。はたまた服装に興味のない自分に陶酔してるのかもしれないが、荷にならず着られればよいの精神が染み付いてくる。

にしてもミステイク!早朝マラケシュを後にした頃はスウェットにダウンベストでも軽く寒さを感じたのだが、陽が昇ると共に汗ばみ始め、今やグッショリである。

小林亜星、汗でグッショリ・・。

ティシュカ峠のアルガンオイル工房を出て一路、アイト・ベン・ハドゥに向かう事2時間。
黄褐色の風景の中にようやくカスバらしき集落が見えてきた。

カスバとはアラビア語で「城塞」の意味。
日干しレンガや土壁で造られた城壁の中には複数の集落が集まり、その名の通り城塞都市が形成されている。
モロッコにはこのカスバが広大な平野や街道沿いに突然現れるので、その巨大な姿に度々驚かされた。
アイト・ベン・ハドゥも数あるカスバの中の一つであり世界遺産に登録された国内随一の観光地なのだ。

食事の為に車を駐車すると、道沿いにまたもや蛇使いのおじさんが。
なぜだろう・・、マラケシュでやられたのに、なぜかまた惹かれてしまう・・。
巳年だからだろうか・・。
そしてまた聞いてしまう・・、

“ピクチャーいくら??”
“20だよ”
“ん!?、、20ユーロ?”
“20ディルハムで何枚撮ってもいいよ~”
な~~~~ぬ~~~~!!
やっぱりか!!あのマラケシュの蛇使いめ~!!100ディルハムは高すぎだろ!!
くそ~~!まぁ場所による値段の差はあるからな、、。
焼酎の水割りを色っぽいお姉さんと飲むと1杯5000円するのはよくある話だ!!
それにしても価格破壊!!写真業界のドン・キホーテか!!
しかもこのおじさんたち、サービス精神旺盛で色んなポーズや笛を吹いてくれる。
が、気になるのは足元に転がるアルトリコーダー。
それ日本の小学校でも使ってる奴~。やっぱり偽物感は否めませんな。
まぁおじさんたち、いい人だったし、安いしな、ありがとう!

さて、腹も減ったし、近くのレストランへ。
アマールが紹介してくれたレストランは上階がテラス席になっており
アイト・ベン・ハドゥが一望できる絶景レストラン。

オーダーしたのはやっぱりタジン鍋でしょ!!ジャガイモとラム肉のタジン、それとハリラとホブス。
いつ食べるのよ、今しかないでしょ!!

タジンはこの酷暑の中、アツアツの湯気をたぎらせて運ばれてきた。
こんなの食えるのエスパー伊東だけだろ!
激熱のタジン鍋だが、ラム肉のうま味が染みてて美味い!
プルーンの甘味もアクセントになり濃厚な味を楽しめた。

お腹も満たし、いざアイト・ベン・ハドゥへ!!
と勇んでレストランを後にしたのだが、
これが後にちょっとした事件となる。それはまた次のお話で・・。

今回も股旅ブルース、最後までお読みいただきありがとうございました。
次回、28話 アイト・ベン・ハドゥと燃えるカスバの男たち
をお送りします。

Ksar Ait Ben Haddou‌
قصر أيت بن حدو
Aït Benhaddou, モロッコ
☎+212627286740/ 8:00~19:00
http://www.kasbah-ait-ben-haddou.com/